一瞬でYESを引き出す心理戦略。 DaiGo 著 とは
あらすじ
●テレビに出演するなど、フォークを曲げるパフォーマンスで
一躍脚光を浴びたメンタリスト DaiGo氏
引退宣言や転職宣言など、その言動が常に注目を浴びている彼だが、
いよいよビジネス書世界に進出!。
「人の心を読み誘導する」メンタリズム技術は、ビジネスと親和性が高い」
と言い続けてきたDaiGoが、誰にでも簡単にできる「メンタリズム」を、
交渉やプレゼン、販売や接客、クレーム処理などといった、
ビジネスシーンに置き換えて紹介。
●この方法なら人は喜んで動く
“メンタリズム=人を操り、だまし、自分の思い通りに動かす”
そんな考えは間違い。
紹介するのは、
「相手の潜在意識を読み取り、相手のメリットになる結果に導く」こと。
最終的に相手が喜び、また自分のメリットにもなる方法。
著者について
DaiGo
●人の心を読み、操る技術「メンタリズム」を駆使する日本一のメンタリスト。
●TV番組への出演多数、著書は累計160万部突破のベストセラーになっている。
外資系企業の研修やコンサル、教育誌の連載なども、手掛ける。
●主な著書は『人の心を操る技術』(扶桑社)『これがメンタリズムです』(幻冬舎)『メンタリズム 恋愛の絶対法則』(青春出版社)など。
書評
この本を読んだ動機
復職に向けて、ビジネスコミュニケーション感覚を取り戻したかった
本当に実感するのだが、
育児をしていると、コミュニケーションスキルは劣化する
いや、退化する
それもそうだ。
言葉を通じたコミュニケーションができない相手(赤ちゃん)を相手に
その表情、体温、泣き方などから、欲求を察して、わたしは行動する
ある意味、言葉を超越した、動物的な
コミュニケーション方法を磨いているのかもしれない
しかし、大人同士、特にビジネスシーンで求められるような、
無駄がなく、論理的で、テンポの早い会話スキルは、
みごとに退化する
育休中の日々。
唯一の大人との会話は夫以外に、地域の保健師さんや児童センターの職員さん、
小児科医、看護師さんなどであるが
彼らにビジネスシーンで交わされているような
コミュニケーションをとると、多くは通じないことが多い
テンポが早く、単語が多く、無駄がない発話は、彼らには伝わらない
逆に、ゆっくりと、少ない情報で、共感を求めるような、
冗長的なコミュニケーションの方が、不思議とよく伝わる
たとえば、
「結論、私は摩擦による皮膚炎と考えます、なぜなら気温が上昇しているという事実から痒みが起きているという推測ができるからです」という話し方は伝わらない
一瞬「???」となり、「すみません、もう一度・・」と言われる
「今日は雨になりそうですね〜・・・・そういえば、最近、むすめのお肌が、、
なんか、チクチクするみたいで、、、かいちゃうのかなあ〜」
という話し方のほうが、相手に伝わる
これはどちらが優劣というものではなく、
その文語より口語が優先されたり、
コミュニティーで使われている言語や文化の差だと認識している
自分が話すのではなく、いかに相手に話してもらえるか
お客様から、店員へ
消費者から、生産者へ
働くということは、つくる側、供給する側に立つということだ
育休中は、赤ちゃんを育てているという意味では生産者だが、
資本主義の中で言えば「休業中」なので、消費者側である
よって、復職するにあたっては、この意識を「生産者側へ」戻さねばならない
作る側のコミュニケーションの基本は、
消費する側のニーズを的確に把握することだ
そのため、どれほど目の前の顧客のニーズを正しく把握できるか?
お客さんに「これが困っている」と話してもらえるか?が重要だ
・観察する→分析する→信頼される→誘導するという流れをつかむ
・外見や言葉に現れたものから相手の要求の手がかりを探る(観察・分析)
例えばバッグにどんな小物が入っているのか、手帳はアナログか、どんな文庫本を読んでいるか、相手の興味関心どころをおさえる
・心を開いてもらうためにはまず自分のプライベートを開示する(信頼される)
無意識の交換条件のように自分も話さなければならないと思い始める。
結果、こんなに話しているのは、私がこの人を信頼しているからと思う
=これを認知的不協和という=自分の考えや認識が自分が遭遇した出来事(認知)と相容れない状況になったときに感じるストレス(不協和)のこと
・相手の本音をひきだすには、自分の聞きたいことを、まず自分から話す(信頼される)
提案を伝える工夫
ようやくお客様のニーズを聞き出すことができれば、
それを満たす提案を伝える
このとき、ようやく口を開くときがきたと
無鉄砲にダラダラ講釈を垂れると、お客様は離れていく
そこで、伝える際にも
常にお客様の反応を見ながら伝え方を工夫する必要がある
※以下は観察する→分析する→信頼される→誘導するの中の
「誘導する」というプロセスにおけるポイントである
例えば興味を示している時:目線は上下、口は軽く開いている
つまらないと思っている時:目線は左右に動く、口は固く閉じている
興味を示しているときには、そのまま話す。
逆の場合は一旦、ニーズを再確認したり、状況変化がないか、確認する
・両面提示=メリットデメリットの両方を伝える
どちらも伝えられている方が、説得効果が高い
・重要な提案は最後に伝える
これは親近効果と言って、後から伝えた情報のほうが記憶に残りやすいためだ
また、伝えたいことは表現を替えて何度も繰り返す
・挨拶を誰よりも早くする
これはその場における自身の優位性(=自分がこの場をリードしていく存在である)を確立できる。これは円卓のナプキン理論といって、最初の行動によってその場のルールが規定されるためだ
・交渉ごとをするなら、午後イチかもしくは夕方に近い時間
相手の判断力が鈍り、許容範囲が広くなるためだ
・飲食を共にすると好意的になれる
なぜならば、物を飲み込んでいるとき人は暗示にかかりやすいためだ
・「損にならない」というメリットを強調する
なぜならば、プロスペクト理論といい、人間は得をする喜びのり損をする恐怖の方が強いためだ
・セールストークでは商品の特徴の説明はしない
お客様と仲良くなり親切にアドバイスすると返報性の心理現象により、今度は相手に何かしてあげなければいけないと思い買ってくれる。
つまり、こんなにしてもらって悪いな、という罪悪感が人を動かす。
この本から学んだこと
・真のニーズを理解するためには、「ニーズはなんですか?」というコミュニケーションでは聞き出すことはできないため、様々な工夫で引き出す必要がある
・ニーズを満たす提案をするときは、たとえその提案がニーズを満たすものであっても、伝え方を工夫しないと相手(顧客)には響かない
そのため、この本を読んで、休業前提案が通らない場合のからくりが理解できた
このコミュニケーションのポイントは、対顧客だけではなく、
ステークホルダー(お仕事関係者、同僚・先輩・上司など)全員に対して
使える手法であるので、積極的に取り入れていきたい。
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