実は一人っ子は頭が良いという通説がある
実は一人っ子のIQや学業成績が、きょうだいのいる子供よりも高いというデータが存在する。
しかしこれは、一人っ子かそうでないかという、子供が置かれた環境に起因するものではなく、親から受け継いだ能力の差異、つまり遺伝要因によるものと言われる。
つまり、「IQや学歴が高い親ほど、一人っ子を好む傾向がある」という研究結果があるためだ。一人っ子だからIQが高くなるのではなく、IQの高い親ほど一人っ子を好む傾向があるのだ。
また、もうひとつの要因は「リソース(時間や注意)の配分」だ。ひとりっ子の場合、親のリソースがより多く注がれる傾向にあるため、IQや学業成績が高くなる。しかしこれについては第1子に関しても同様で、長男・長女に親は多くのリソースを使っている。
その科学的根拠はあるのか
有効な統計データは見つけられなかったが、提唱者は存在した。
●米国の心理学者Carl E. Pickhardtは“The Future of Your Only Child.”(一人っ子の未来)という書籍の中で以下のように言及している
・親の注意と承認の唯一の対象として、一人っ子の子供は通常、肯定的で特別に育てられる
・親にサポートされ、励まされ、自分自身のために高い成果を上げる
・親の高い投資と期待に応えようとする
・兄弟がいないため、大人の存在に慣れており、幼いうちから社会性や言葉のスキルが磨かれているのかもしれない
・自分自身に力をかけることができ、自分が望むものを達成するために自分自身を鼓舞する強い意志を持つ
●テキサス大学のToni Falbo氏は以下のように述べている
・一人っ子は自尊心が高く、一般的に他の子供よりも学校での成績が良く、より多くの中等後教育を受ける傾向がある
ちなみに一人っ子ときょうだい有りの子どもに性格的な差はない
●テキサス大学のFalbo氏:「きょうだいの有無は子どもの性格に影響を与えない」
一人っ子を対象にした200以上の研究について調査を行ったFalbo氏は、1986年に「兄弟の有無は子どもの性格に影響を与えない」と結論づけた。Fablo氏が見いだした一人っ子と兄弟姉妹のいる子どもの違いとは、「一人っ子は兄弟姉妹を持つ子どもと比較して、親とより強いつながりを感じている」という点だけだったとのこと。
2018年にはフランクフルト大学の研究者であるAndreas Klocke氏とSven Stadtmüller氏が、約1万人ものドイツの子どもたちを追跡して行った調査によって、Fablo氏の考えが裏付けられたそうだ。子どもが親に重要な出来事を打ち明ける頻度などを基に「親と子のつながり」を測定したところ、2人は「一人っ子の方が兄弟姉妹を持つ子どもよりも親とのつながりが強い」ことを発見した。
冒頭、一人っ子のIQが高いという通説がある要因として「IQや学歴が高い親ほど、一人っ子を好む傾向がある」と書いたが、果たして日本においては富裕層ほど一人っ子が多く、低所得者層ほどきょうだいが多いという「貧乏子沢山」状態なのか?
こういう話題が盛り上がるのは、子どもを何人つくるか悩んでいる親が多いことの証拠
子どもを何人持つかは家族計画であり、生き方の選択である
特に母親にとっては妊娠、出産、育児という重労働を1人分行うのか2人分なのかによって、自身の精神的・体力的負担度合いも大きく変わるし、キャリア選択の幅が変わる。子どもがいなければ、その分子どもの世話や家事に当てていた時間を仕事に使えるので、仕事で成果をあげやすいし、昇進の機会も増えるからだ
自分自身の生き方、つまり、自分の人生の時間の使い方を選ぶことは、子どもを持つか持たないか、持つとしたら何人持つのか、という選択に反映されている。
子どもを何人持つかの判断は「制約条件」と「価値観」を切り分けて考えることが必要
それを「制約条件」と「価値観」に分けて整理したとき、
制約条件>価値観になるならつくらない
制約条件<価値観になるならつくればいい
私が考える子どもを何人持つかの判断軸は2つであると考える。
「制約条件」と「価値観」だどちらが自分の中で大きな理由となっているか整理するだけでも納得感が高まると思う
制約条件
●身体的制約条件(からだがしんどいから!)
・一人目の妊娠出産で妊娠糖尿病から糖尿病に罹った、妊娠中毒症になった等、身体に大きな負担を経験したため、第二子以降の出産を避けたい。
・二人目不妊治療を行うにも高齢で妊娠が難しい
・家族のサポートが受けられないため一人で1人目の育児と家事を両立する体力がない
●精神的制約条件(こころがしんどいから!)
・産後うつを経験したため
・家族のサポートが受けられないため、一人で1人目の育児と家事を両立する気力がない
●経済的制約条件(おかねがしんどいから!)
・二人目不妊治療の費用捻出が難しい
・2人の子どもの育成費、教育費の捻出が難しい
└仕事をしながら子供を預ける費用が一人分しか捻出できない
例:二人以上だと高校・大学へ行かせられなくなるおそれがある
└子どもが大学を卒業し、就職するまでの体力・経済状態などを考慮した際、親の加齢で費用が足らない
例:40歳で出産したとすれば、中学校を卒業する頃には55歳になり、高校から大学までの学費を確保するのが難しい
価値観
●親のライフスタイルの維持
早く仕事に復帰したい・キャリアを積みたい
時間や貯蓄を自分に使いたいという親のライフスタイルの維持
●一人の子どもにリソース(育児時間・費用)を注ぎたいという育児方針
親が精神的に余裕を持って一人の子に専念でき、子供は比べられる対象(兄弟・姉妹)がいないのは良いのではないかという考え
●ふたり以上の子どもの中で競争させたい、助け合ってほしいという育児方針
ふたり以上の子どもの中で社会性を身に着けてほしい、助け合いの精神を学んでほしいという考え
周りから色々言われるのは、それぞれの制約条件と価値観が存在するから
自分は自分自身の答えを大切にすればいいだけ
女も男も、何歳になっても
「子どもはいるの」
「何人なの」
「もう一人作らないの」
「なんで一人っ子なの」
「最低でも2人だろう」
「3人いるといいわよ」
などと外野はそれぞれの制約条件と価値観に従ったアドバイスをしてくる
それはその人の制約条件と価値観のピースが噛み合った結果、合理的に(本人は自覚していなくても)腑に落ちた納得解なので、本人にとってはベストなのだが、他人にとってそれがベストとは限らない
逆にそのような「アドバイス」をしてくる人はおそらくその選択を第三者に肯定してほしいという欲求を周囲に発信しているようなものだと思っている
自分自身の中で整理された選択理由が存在するならば、誰かにその選択の同意を求める必要なんてない。間違いだったのか?と不安だから肯定してほしいのだ。
子どもを何人もつかという選択においては
制約条件>価値観 が基本公式であり、逆に制約条件をクリアできないことによる負担を引き受ける覚悟や体制があるのなら、価値観を優先して良いと考える。
例えば我が家の場合
例えば我が家の場合は第二子は現時点は考えてない。
それは、私が妊娠糖尿病から、産後境界型糖尿病に移行したため、第二子妊娠によってその症状が進行する(糖尿病に移行する進行スピードが早まる)と推測されるためだ。さらに産後鬱になりかけ、産後のお世話による精神的負荷に耐えられるかわからない。
その負担が「きょうだいはいた方が競争心が育って育児環境にはいいかもね」「将来きょうだい同士で助け合ってくれるかしら」「親が死んでもさみしくはないかもしれないわ」という価値観よりも大きいと感じられるからだ。
人によっては制約条件がない場合(もしくは大きくない場合)、価値観が優先される(優先できる)のだろう、そういう人たちが持論で「きょうだいはいたほうがいいわ」「絶対ふたり以上でしょう」とおすすめしてくる
※30年ほど昔なら「跡取り・世継」を産むため、一人目が女の子なら二人目男の子を産む必要があり、その価値観が強く、社会的に性別役割が強く結婚した女性の存在意義が跡取りを産むこととされていたため、制約条件を凌駕して跡取りを産むことが優先されていた。いまだにその時の性別役割の世界で生きている人たちから「二人目男の子生みなさいよ」などと言われても、それは生きる世界が違うので、彼・彼女たちが自分たちの選択を肯定してほしくて助言しているのではなく、その人たちの生きる世界のルールみたいなものだと感じている。
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