なめてた新生児育児
産むことがゴールになっていた
・ハイリスク妊婦だった私は体調管理に多大なストレスを感じエネルギーを使っていた
・「無事に産むこと」を強く意識していたために、産むことがゴールになり、産んだ後について考えてなかった
初期に絨毛膜下血腫で出血で切迫流産、妊娠糖尿病判明、インスリン注射、尿中の白血球数増など、トラブル玉手箱のような状態であった。
常に週数を確認し、「安定期まであと●週」「正産期まであと●週」と指折りに数えていた。
さらに、仮に早産したら助かる見込み(生存率)を週数ごとに確認していた。
加えて、当時は産後治ると言われていた妊娠糖尿病がなくなったら、
大好物の甘いお菓子、和菓子、ケーキ、クレープ、たこ焼き、お好み焼き、寿司を馬鹿食いできると思い、「食べたいものリスト」をスマホに書きだめていた。
そうすることで、自身の中で産むことにストレス状態から脱することへの期待が膨れあがり、産むことでこの苦しい妊娠期間を脱することができる、楽園へのカウントダウンとなっていた。
したがって、産んだ後は、体調管理もなくなり、インスリンも打たず、好きに飲み食いできて、楽しい毎日が戻ってくると確信していた。
つまりリスクヘッジが足らなかった
・産後起こりうる事態への備えができていなかった
・具体的には周囲の育児協力体制構築、子供の睡眠サイクル構築方法や自身のメンタルケア方法についての事前調べができていなかった
周囲への育児協力体制
里帰りをしていたが、母親、父親、同居する独身の弟は仕事をしていた。
そのため、昼間は仕事で不在であり、夜は寝なければならない。
掃除洗濯料理はすべて母親がやってくれていたが、子守(夜泣き対応)は誰も代わってくれない。
これが盲点であった。家事をしてもらっているのでそれ以上やってくれることを望むのは贅沢じゃないかと言われるとおっしゃるとおりなのだが、
私は本当にメンタル・体力キャパシティが小さい。特に新しい環境に順応することには人一倍時間がかかる。
連日の夜泣き対応で寝不足が極限に達し「また今日も眠れない夜が来る」「死にたい」「逃げたい」と完全に産後鬱状態になっていた。
事前にそういった状態になるであろうことを想定し、夫を週2〜3来てもらい、夜寝かせてもらう、1日5〜10分でも自分の自由時間を確保する体制を作っておくべきであった。
ちなみに夫は来れる状態でも、私の親が婿とはいえ他人を家に泊めることを嫌がったので
夫が宿泊することはハードルが高かった。
具体的には「眠れなくて頭がおかしくなりそうだから、夜泣き要員がほしくて夫を泊めたい、無理ならあんた達が夜泣きをみてくれ。」と泣き叫んだ。
誇張ではない。
子供の睡眠サイクル構築方法や自身のストレスケア方法の事前調べ
新生児は起床と睡眠を不定期に繰り返す。
大人のように昼間起きて夜寝るという睡眠サイクルは生まれつき備わっている身体的機能ではない。だからこそ、親が睡眠サイクルを作ってあげてコントロールすることが重要である。
しかしながら、育児書、育児アプリを見ると「新生児は寝たいときに寝ます。寄り添ってあげましょう」などと母親を追い詰めることが書いてある。
寝たいときに寝て起きたいときに起きる生物に付き合っていたら、自身の睡眠サイクルがグチャグチャで自律神経が壊れる。
私の場合は特に決まった手順で決まったサイクルを回すことを日々の生活で重視していたために、子供のタイミングで起こされたりめ、逆に眠らなくてはいけない状況が、物凄くストレスであった。
新生児とはいえ、睡眠サイクルをつくることはできる。
睡眠サイクルを作る書籍を購入して寝不足の中血眼で読み、なんとか実践したところ生後54日で夜6時間眠るようになった。これが子の個性なのかコントロールの結果なのかわからないが、私は睡眠時間命なので、ようやくまともに思考できるようになり、うつ状態が軽減していった。
また、自律神経がズタボロなのでメンタルヘルスも悪化し、そのケアする方法もない状態だった。
買い物に行けない、友人と話せない、美味しいものも食べられない、映画やドラマも見れない。
目の前にはただ泣く子供、対応するのは自分だけ、最終責任者も自分である。
メンタルの器の大きさに自身のない方は、念入りに行動制限が激しい新生児育児の最中でもできるストレス解消法を事前に準備してくことが重要と感じる。
過酷なエピソード3つ
夜中ぶっ続けで9時間泣く娘
・生後2〜3週間の2週間は睡眠リズムがなく、体力があった娘は夜9時間泣き続けた
・小さい音にも敏感に起きる上に、抱っこしていないと泣く
・いや、抱っこしていても泣き続けていた
・万策尽きた状態である
・21時から泣き続け、抱っこしても泣き、ミルクを飲み、また泣く
・朝方4時頃、「このまま玄関から出て、駅へ向かおう。そうしたら、駅員さんが、待合室で私を寝かせてくれる」という妄想に取り憑かれて、娘を置いて外へ出ようとした
・正常ではない。精神的に限界であった。
里帰りした実家の寒さ
・木造2階建て、築40年の我が実家は隙間風が多く、寒かった
・娘を産んだのは冬の終わりだったが、まだ雪が降ることもあった
・ストーブをたいても局地的にしか暖まらない
・エアコンは温度が上がらず、乾燥だけ加速させた
要は、気密性に乏しい住宅がゆえ、暖めても空気が抜けて冷気が入ってくるのだ。
いつでも寒い、洗濯物は乾かず、じっとりしていた。
湿度が高く、寒い。
誰も代わってくれない
・親は昼間仕事で、夜は寝なければならない。
・私が一人で子供の世話をしなければならない。
・眠りたくてたまらないが、夜泣きを代わってくれる人がいないという状況が厳しかった
・また、「自分が最終責任者なので、弱音を吐いてはいけない」というプレッシャーも感じていた。
新生児育児を乗り切る上で助かったツール
・Twitterで同じ月齢のママ同士でコミュニティがある
・「ママ垢」と呼ばれる
・「#2019_marbaby」というようなハッシュタグ(#)をつけて検索すると各ママ垢の自己紹介が見られる
・日々「夜勤辛い」「セナモーレ(背中におしっこうんちが漏れること)来たー」「背中スイッチ発動(寝かせるために置いた瞬間起きる)」「ゲップ職人はこちらです」などのつぶやきやため息ともとれる状況報告が、時系列に投稿されている。
これには本当に助けられた。
本当に孤独なのだ。赤子と24時間体制で向き合う日々。授乳量やおむつの交換頻度で頭がいっぱいとなり、視野が狭くなっている新生児育児は、圧倒的に孤独である。興味関心が赤ちゃんの一挙一動に集約されるため、外界の情報が入ってこない。世の中がどうなっているのか、今日のトップニュースはなのか、明日の天気は何か、そんなことだけでなく、近所のコンビニにも美容院にも一切行けない、着替えず、顔や頭も十分に洗えず、細切れ睡眠で、朦朧とした意識の中で、世界から取り残される。世界は、この子と、私、、、、
社会的に完全に孤立している状態で、スマホの中から覗ける同士がいる、仲間がいる。自分だけじゃない、あの人もこの人もこんなに辛いんだ、自分だけじゃない。。。
Twitterは圧倒的孤独で別世界に転生して収監されていたような私の中で、一点だけ繋ぎ止められた社会性だった。世界と、社会と、コミュニティとつながっている糸だった。
今から出産される方は、Twitterのアカウントを取得してママ同士でフォローし合うことを強くおすすめしたい。
本「ふたりは同時に親になる」
・ふたりは同時に親になる(狩野さやか著)という書籍である
▼内容
「ふたりで笑っていっしょに楽しく育児をしたい」そう思っていたはずの2人は、なぜ出産を機に「ずれ」はじめてしまうのか……。終わることなき保活やワンオペ育児に忙殺される「あきらめママ」と、そんなママの理解不能な不機嫌さに思わず「無関心をよそおうパパ」の心のからくりを解き明かす1冊。地道なワークショップを通じて多くの新米パパ・ママの悩みに寄り添ってきた著者が送る、「ふたりで同時に親になる」ための心がまえとは。
実家に里帰りし新生児育児をする私と、夫婦の家にいて、外で働く夫との間で、育児への認識が大きく開いていた。例えば「赤ちゃんが寝ている間にお出かけすれば?」「俺も仕事で徹夜することあるからお前も頑張れよ」などというアホ発言が出てくるのは、夫が新生児育児の過酷さや仕事との性質が全く異なるものであるという認識がないためである。彼を責められない。
そんな状況で「飲み会に行かないでほしい」「育休をとってほしい」と懇願しても
「甘えるなよ」「他の家の奥さんはなぁ。。」と渋られる。
私の産後ポンコツ脳みそは合理的な説明能力がレベル1に低下していたので、
私の状況、苦悩、人生で最も助けてほしい状況であることを、わかりやすく説明するために
この本に代弁してもらった。
「この本を一冊読んでくれ、Kindle版もある。頼む、一生のお願いなので読んでほしい」
そう頼み込んで自身の状況を伝えた。
・本を一冊読ませることが難しいなか本の中にある「妻の状況」を表す挿絵を見せるだけでも効果的である
アプリ「ベビーカレンダー」
・子どもを持つ親のお悩み相談掲示板アプリ
・助産師、保健師がお悩みに答えてくれる
・無料で返答も早い
低月齢時、なにもかも初めてで混乱していた私は育児書に書いていない、非常に個別的な悩みを相談できる相手が欲しかった。
地域の保健師や助産師に電話はできるが、「まあ子供なんてそんなもんよ」と実母から得られる励ましのような突き放された言葉しか得られず、科学的根拠に基づいたアドバイスは得られなかった。
子供の特性は個別性が非常に高いため、究極私の子供の場合の対処法は誰にもわからない。
それは後になって気づいたことであるが、新生児育児のときは「必ず科学的根拠に基づいた対処方法があるはずである」と信じていた。
特に睡眠に関して。
夜眠らず9時間泣き続ける娘に、「どこかおかしいのではないか」「どうしたら改善できるのか」と仮説と検証を繰り返した。しかしそもそもこの仮説の筋が良いのか悪いのかさっぱりわからない。
そんなとき、ベビーカレンダーの悩み相談掲示板で相談すると、返答をもらえた。
満足する回答ばかりではないが(医師ではないので医学的診断はできず、励ましのようなコメントの場合もある)、医師にかかったほうがいい状況なのかどうか「私の悩みの深刻度」はわかった。
これは大きな収穫である。
実母や地域の保険師に相談しても私の心配事が「どの程度勘案すべきレベルの事象なのか」が、全くわからず「子供なんてそんなもんよ、私が子育てしていたときはね・・・」と経験談がはじまり、どっちが何を目的に会話しているのかわからない。あなたの体験談を聞くために寝不足で朦朧としている頭を働かせて会話しているのではない。
人としてかなりひどいメンタリティだが、当時の私は自分と子供の生存をかけて、必死だった。
まとめ
私が過去の私に言いたいことは以下である
・産むことをゴールにするのでなく、新生児育児の過酷さについてのリアルを調べておく
・特に自分が睡眠不足が辛いタイプなら、子供の睡眠サイクルを整えること、そのための方法について学習しておく
・夜泣き対応をしてくれる人員を確保しておく
・夫に新生児育児の過酷さについて理解をしてもらうための方法を考えておく
・母乳育児での頻回授乳がつらいならミルク育児に切り替える。そこに優劣はない。
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